外反母趾の原因と自分で出来る治し方を解説!
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1外反母趾が痛い、変形が酷いなどの症状でお悩みではありませんか?
✅靴を履くと母趾の付け根が痛い
✅外反母趾の変形が酷くなってきた
✅外反母趾のために足に合う靴がない
✅子供の外反母趾の変形が気になる
✅整形外科や整骨院、整体院で治療しているが治らない
外反母趾変形とは母趾が外側(小趾)へ曲がった状態で、痛みのある症例と痛みがない症例に分かれます。
炎症期は腫脹、熱感、発赤などがあり多くは歩行時痛を生じます。
そして一度外反母趾になってしまうと変形が徐々に進行していくことが多いです。
外反母趾の進行度分類
外反母趾の重症度は図にも示した通り母趾中足骨と母趾基節骨を結んだ角度で分類します。
これを外反母趾角と言います。
・外反母趾角が15度未満を正常
・外反母趾角が15~30度を軽度
・外反母趾角が30~40度を中等度
・外反母趾角が40度以上を重度
外反母趾の分類
1)靭帯性外反母趾
足裏の横アーチを支えている横中足靭帯が緩むことで横アーチが消失、又は減少し外反母趾になります。
2)仮骨性外反母趾
母趾自体の外反変形は小さいが、母趾の付け根が出っ張ることにより母趾が曲がっている様に見える変形です。
3)混合性外反母趾
靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾を合わせ持ったタイプで中年以降に多く発症する外反母趾です。女性に多く見られますが男性や子供にも発症します。
4)ハンマートゥ性外反母趾
靴の中で指が縮こまってしまう「ハンマートゥ」や、足指が浮いてしまう「浮指」に併発して発症するタイプの外反母趾です。
5) 病変性外反母趾
関節リウマチ、へバーデン結節などの病態があり発症するタイプの外反母趾です。
外反母趾の発症メカニズム
距骨下関節の回内時の足部のバイオメカニクスは以下のようになります
1)踵骨は外反、距骨は底屈、内転
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2)ショパール関節は内反、外転、背屈
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3)第1列の内側契状骨と第1中足骨は背屈、内転、内反
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4)第5列の立方骨と第5中足骨は背屈、外転、外反
上記のバイオメカニクスを分かりやすく言い換えます
1)足首の中心にある距骨が内側へ倒れ込みます
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2)内側へ倒れ込むと偏平足になります
⇩
3)偏平足になると足裏の縦アーチが消失、又は減少します
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4)縦アーチが消失、又は減少すると足趾の付け根が横に広がり開帳足になります
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5)開帳足とは足裏の横アーチが消失している状態です
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6)開帳足の状態で靴を履いていると親指と小指が押されて外反母趾、内反小趾になります
外反母趾の原因
原因1)くつの問題
・パンプス、ハイヒールなどつま先の細い靴や踵の高い靴は親指が圧迫され外反母趾の原因になります。
・サイズが小さい靴は親指が圧迫され外反母趾の原因になります。
・サイズが大きい靴は歩行時に靴の中で足趾が動くため親指が圧迫され外反母趾の原因になります。
原因2)運動連鎖の問題
骨盤の外側の出っ張り(上前腸骨棘)から膝のお皿の中心を結んだ線をQアングルと言います。男性よりも女性の方が骨盤幅が広いためQアングルが大きくなります。
Qアングルが大きくなると膝が内側へ入りやすい歩行様式になりやすく、下肢全体が内側へ捻れて、距骨が内側へ倒れ込み外反母趾になるリスクが高くなります。
原因3)遺伝的な問題
顔や姿勢が親子で似るように、骨や関節の構造も遺伝します。遺伝的に偏平足やQアングルが大きいなどがある場合は外反母趾になりやすいです。
原因その4)肥満や筋力低下の問題
肥満は体重の重さから足裏のアーチへの負荷が強くなり、足裏のアーチが消失、又は減少し上記記載のバイオメカニクスの理由で外反母趾になりやすいです。
そして運動不足などで足裏の筋力が低下してしまうと足裏のアーチが消失、又は減少し上記記載のバイオメカニクスの理由で外反母趾になりやすいです。
外反母趾が原因となる身体への影響は?
1)足部の痛み
外反母趾そのものの痛みや内反小趾の痛み、足底筋膜炎、モートン病など足部や足裏の痛みを生じやすくなります。
足裏のアーチが消失するため足裏のタコ、魚の目、巻き爪などを引き起こすことも多くあります。
2)膝や股関節への影響
外反母趾になっていると足首は過回内(内側へ倒れ込む)し、下肢は内旋(内側へ捻れる)する上行性の運動連鎖が働きます。
下行性の運動連鎖も関与してきますので膝はO脚にもX脚にもなる可能性があります。
O脚、X脚どちらの場合も膝関節と股関節は捻れるストレスが掛かってきますので痛みを生じるリスクがあります。
3)転倒しやすい
足裏の3つのアーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)が破綻している場合が多いので、足裏本来の衝撃吸収の機能が発揮できないためふらつきやすくなり、高齢者など筋力の低下している方は転倒のリスクが高くなります。
4)歩き方が悪くなる
外反母趾があると歩行時に地面をしっかりけり出すことができず、歩幅も小さくなります。
歩行時にふくらはぎの筋肉をあまり使えなくなってしまうので、下肢の筋力低下や足のむくみなどを生じやすくなります。
5)容姿の問題
外反母趾は圧倒的に女性が多く、対処をしないと悪化していく症例が多いです。変形が進んでしまうと恥ずかしくて靴が脱げない、夏にサンダルを履けないなどの悩みが生じてしまいます。
外反母趾の治し方1)足裏筋(内在筋)のリリース
足部の内側の母趾の付け根から踵に向かって走行する「母趾外転筋」と、足裏の母趾の付け根から足裏中央に向かって走行する「短母趾屈筋」をご自身の手でマッサージしたり、スーパーボールをコロコロしてリリースしましょう。
殆どは内反小趾を併発していますので、小趾側もリリースしてあげると良いです。
外反母趾の治し方2)足裏筋(内在筋)エクササイズ
<タオルギャザー>
足趾でタオルを手繰り寄せていくエクササイズです。座位→立位→片脚立ちと行っていくと負荷を上げていくことができます。
足裏の筋肉を意識しながら行っていきましょう。
<シャクトリムシ歩き>
体育座りになり足趾で床をつかむように曲げながら土踏まずを持ち上げます。次に指を伸ばしながら少し前に進みます。
前に4回進んだら、次は後ろに4回戻ります。
両足で行った後は片足でも行ってみましょう。
<ショートフット>
立位で両足の足趾を5本とも上に反らせて(足趾の伸展)、土踏まずを持ち上げます。
次に土踏まずを落とさないように気を付けながら両側の拇趾を寄せるように下ろします。
次に第2~5趾を伸ばすように下ろします。
慣れてきたら目線は前に向けて10回位行いましょう。
<セラバンドエクササイズ>
1)長座位で足趾の付け根を押し出します。
2)次に足趾を遠くに伸ばすように押し出していきます。
3)足趾を戻します。
4)足首を戻します。
足裏の筋肉を意識しながら1)~4)を10回位繰り返しましょう。
外反母趾の治し方3)テーピング療法
外反母趾の痛みや炎症症状の多くはテーピング療法によって軽減させることができます。
キネシオテーピングを用いて母趾の矯正、小趾の矯正、横アーチの形成をおこなっていきます。
少し練習すればご自身でも出来ると思いますので動画で紹介いたします。
外反母趾の治し方4)インソール療法
外反母趾の治し方の中でインソール療法は非常に有効性が高いと考えます。
その理由として外反母趾変形になる根本原因は、足部が過回内することによる内側縦アーチの消失又は減少、いわゆる偏平足があるためです。
インソール療法は土踏まずを持ち上げて、消失又は減少している内側縦アーチの形成をサポートしてくれます。
インソール療法にプラスして先ほどご紹介しましたテーピング療法を行うと相乗効果を期待できます。
外反母趾の治し方)シューズの見直し
これまで紹介させて頂いた外反母趾の治し方1)~4)を行ったとしても、外反母趾を助長するような踵の高い靴や先の細い靴を履いていたり、足に合っていないサイズの靴を履いていたりすると、治るどころか悪化してしまうケースもあります。
ハイヒールや先の細いパンプスンなどが外反母趾を助長していることは多くの方が気づかれると思います。
ですがスニーカーやウォーキングシューズで意外と知られていないことが靴の横幅です。「ウィズ」と言ったり「ワイズ」と言ったりします。
ウィズの種類はアルファベットでA、B、C、D、E、2E、3E、4Eのように表記があります。
Aが最も細く4Eが最も広いサイズとなります。
外反母趾の方は横アーチが落ちて開帳足になっているケースが多いので幅の広いE~4E位のウィズの方が多いです。
自分の適正サイズよりもウィズが小さい場合は靴の中で足を締め付けすぎて外反母趾を助長しますし、逆にウィズが大きすぎると靴の中で足が動いてしまい外反母趾を助長します。
ですから靴を選ぶ際には自分のウィズを調べてから購入することがとても大切です。
外反母趾になってしまったら…病院?整形外科?整骨院?整体院?靴屋さん?
最後までお読み下さりありがとうございます。
伊集院整骨院グループ代表の伊集院と申します。
外反母趾が気になったらどこで診てもらったらよいのか?
整形外科、整骨院、整体院、シューフィッターのいる靴屋さんなどなど...
迷われている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
これまでも述べさせていたように外反母趾を治すためには、外反母趾の病態の評価、マッサージや物療などの治療、足裏筋のエクササイズ、テーピング療法、インソール療法など様々な選択肢を駆使していかなくてはなりません。
ですので病院や治療院が外反母趾にしっかりと対応してくれそうかを、ホームページや口コミなどで確認する必要があると思います。
また、外反母趾の変形が進んでいる場合や痛みが強い場合などは、先ずは病院を受診してレントゲン等で病態を把握する必要があると考えます。
多くの外反母趾は徐々に変形が進行していきます。ですから初期の段階での受診をお勧めいたします。
当ホームページは健康と美容に役立つ情報発信を常に更新しております。
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